女子W杯で起きたもう一つの物語

先日アメリカの優勝で幕を閉じた女子W杯。

その中で起きたもう一つの物語。

 

舞台は女子W杯準決勝「日本×イングランド」

 

後半ロスタイム

息もつかせぬ一つのミスも許されない展開

一人の選手がクリアしたボールが自軍ゴールポストを叩き

そのままゴールイン。

まさかのオウンゴール…

 

オウンゴールをしたローラバゼット選手は

倒れこみ、呆然自失状態。

グランドの中で消えてしまいたいと心底思ったそうです。

(このゴールが日本の決勝点になり1対2でイングランド敗戦)

 

試合終了後のインタビューが本当に泣けました。

 

イングランドのマーク・サンプソン監督の発言

「君を誇りに思う。ローラがいなければ、4強までは来られなかった」

 

キャプテンのヒュートンは、次のようにチームへの誇りを強調した。

「言葉がないわ、私に言えるのは、すべての選手たちとスタッフを

誇りに思うということだけよ。私たちは素晴らしい道のりを進んできた。

でも、これがサッカーなのよ。時に残酷なものなのよ。

でも、私たちは気を取り直して、3位決定戦を戦わなければいけない」

「選手たちはこれまで全力を尽くしてきた。素晴らしい選手たちよ。

ファイナル進出を望み、そのために頑張ったわ。

でも、今日はこういう結果になってしまった」

 

MFウィリアムズもチームを誇り、

バセットの頑張りを強調した。

「チームとして、私たちは世界王者を苦しめたことを誇りに思っている。

私たちは本当に彼らを苦しめた。

私たちのゲームプランはぴったりとはまったのに、

偶然のゴールで彼女たちが勝ち上がることになったのよ。

バセットは自分がみんなを失望させたと感じている。

でも、彼女はイングランドのために全力を尽くしたわ」

 

FWトニは落胆をあらわにし、

バセットが素晴らしい選手であることを強調している。

「打ちひしがれているわ。私たちは全力を尽くした。

バセットは私たちの支えだったわ。

彼女は全員にとって素晴らしい模範なの。

きっと立ち直れるはずだと信じている。

私は、チームがここまでやってきたことを誇っているわ。

私たちはきっと立ち上がれるはずよ」

 

監督も選手も絶対にくやしかったと思います。

特にW杯・オリンピックは4年に1度しかないのです。

 

自分の中学の友達もウエイトリフティングの日本代表として2回

アテネと北京オリンピックにでました。

そこで、メダルを期待されながらも華々しい結果は出せませんでした。

4年間の努力が全てそこに凝縮しており、次雪辱を晴らす機会は

4年後若しくはもう訪れない厳しい世界。

 

彼らはその4年後の一回の舞台のために日々厳しい練習を積み重ねている。

それだけで並大抵の根性や精神力ではありません。

僕たちは今日の失敗を明日取り返すことは頑張ればできます。

でも、彼らは失敗したら4年後にしか挽回するチャンスがない過酷な世界。

 

そんな中でのこのオウンゴールというあまりにも残酷な出来事。

 

だけど僕は思いました。

誰一人彼女のことを責めず

(さすがにあからさまに責める人はいないと思うが)

また、慰めの言葉ではなく、彼女のことを真に理解しているからこそ

むしろ尊重し・讃える発言をしているのだと。

監督・選手みんながチームのことを常に考え、

コミュニケーションをとってきたのだろうと。

 

お互いがお互いを認め、チームとして戦ってきたからこそ

イングランドはここまで来ることができ

それぞれを認めるコトバを時に厳しく・時に励まし

言葉として伝え自分のチームとしてではなくみんなのチームとして

個々がチームのために何が最善かを考え行動してきたのだろうと。

そしてチームで「W杯優勝」という目標に向かいひたむきに努力し、

目指してきたからこそ自然と誰かの選手の良し悪しより

チームとしての誇りを口にしたのだと思います。

 

 

 

会社もチームも個の集合体です。

そこで、それぞれのポジション(役割)があり同じ目標に向かって

目標を達成すべく必死に努力している。

当然、苦しいとき、辛いときもある、そこをみんなで乗り切り

よろこびに変えられたとき大きな何かが動き出すのではないかと思います…

 

 

今後もニュースや身近なところであった

素晴らしいコミュニケーションを発信していきます。

2015年7月9日  研究テーマ:
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