電通「戦略十訓」を120%の善意で解釈してみた

電通「戦略十訓」を120%の善意で解釈してみた

 

電通「戦略十訓」とは

日本の大手広告代理店である電通が提唱した10の戦略。モノを買わせるための戦略で1970年代に提唱されたものですが、現代でも通じる部分はあります。

「もっと使わせろ」「無駄遣いさせろ」などといった、消費者を手のひらで転がすような聞こえの悪い文面ですが、高度経済成長を果たし、さらに飛躍せんとする当時の日本経済のアグレッシブさを感じさせます。

そんな電通「戦略十訓」、売り手側の訓戒ではあるのですが、消費者目線で読み解いてみるとまた違った形が見えてきます。

消費行動とは、とどのつまり消費者自身の幸福度やら何ちゃらに貢献しているわけで、消費自体は消費者にとって決して悪いことではありません。

つまり「戦略十訓」とは、消費者に喜ばれる良いプロモーションを打つためのヒントでもあるといえるのではないでしょうか。

今回は、そんな「戦略十訓」を120%の善意でゴリゴリ解釈してみました。

 

もっと使わせろ
本来は、たくさん使わせて消費者の消費行動を加速させろということなんでしょうが、「もっと使ってもらってその改善に役立てるべし、商品開発に消費者の声を反映させるべし。」と解釈してみてはどうでしょうか。そう、善意的にね。
捨てさせろ
商品の購入サイクルを早めろということなんでしょうが、これはズバリ、「ターゲットに比較検討させて、取捨選択させた上で購入させるべし。」と大胆に解釈。AISCEAS(アイシーズ)の法則にある「検索」、「比較」、「検討」を強引にあてはめてみました。(我ながらうまくこじつけた。)もしくは「ユーザーが今使っている商品を捨てたくなるぐらい魅力的な商品を作り出すべし。」というのもアリですね。
無駄遣いさせろ
本当に無駄遣いさせるのはターゲットに申し訳ないので、単純に「周囲に無駄遣いと思わせるぐらい客単価をあげるべし。」と読み解いてみます。日本の消費は、高級志向と低価格志向に二極化してますしね。「高級志向の根幹となる付加価値をがんばって創造するべし。」というところでしょうか。
季節を忘れさせろ
「ターゲットの季節を先取りして情報をプッシュするべし。」と解釈してはどうでしょう?夏まっ盛りの頃にもう秋の新作を売り出すというアレですね。もしくは「例えばおでんは夏でもよく売れ、アイスは冬でもよく売れるから、一概に季節感にとらわれることなく販促にいそしむべし。」と言う深~い意味かもしれません。
贈り物をさせろ
自己消費には限りがあります。「商品が購入者とその家族・友人関係にまでおよぼす影響に考慮しつつ商品を売るべし。」と解釈してみます。
組み合わせで買わせろ
これはもうクロスセルそのまんまですが、さらにひねって解釈すると、「よそとコラボして話題性を盛り込むべし。」ということかもしれません。
きっかけを投じろ
何かのアンケートで家族構成とか書くと、子どもが七五三の頃にDMが来ることってありませんか?「ターゲットが消費行動する“きっかけ”になりうるものは何なのか?それらの情報をしっかり収集するべし。」ということになります。
流行遅れにさせろ
「常に新しい情報を送り込み、消費者のトレンドをリードするべし。」ということになります。もっと前向きだと「業界におけるトレンドを創造するべし。」ともとれますね。
気安く買わせろ
「消費者が気軽に購入できるような導線設計やチャネルを用意するべし。」つまり、高齢のおばあちゃんが安心して買えるように整備しろよとするとなんかスゴクいい人っぽく聞こえます。さらに「価格面で努力するべし。」と付け加えると、「ターゲットが気安く購入できる価格帯はどのあたりか、しっかり市場調査するべし。」ともとれます。
混乱をつくりだせ
これは解釈に困りますね。いかんせん聞こえが悪い。まるでラスボスのセリフです。「従来の概念を根底から覆すべし。」ととるとなんだかカッコイイ!

 

どうでしょう?消費者とのコミュニケーションに一役買ってくれそうな、温故知新の解釈ですね。

2015年12月7日  研究テーマ:, ,
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