印刷業界ガラパゴスシンドローム

みなさんご存知のチャールズ・ダーウィン『進化論』
「生物が種の起源から様々な環境に適合する中で、機能や形を変えていく」
というあれですが、近年日本企業・市場のガラパゴス化
各所で指摘されているわけですが・・・

 

そもそも「ガラパゴス化」とは、技術やサービスが
「日本市場で独自の変化をとげて、世界標準からかけ離れてしまう現象」を
ガラパゴス諸島で独自の生物の種が進化した生態系になぞらえた表現です。

 

環境に適応することによって、そこでは生きられるけれども異なる環境では
生きていくことができないという状況を生み出してしまっている。
国内でしか通用しない商品やサービス、業界でしか通用しない商品や
サービスに溢れかえっているということ。

 

では、そもそもなぜ「ガラパゴス化」が起こるのか?

 

それは、外需よりも内需にばかりに目を向け過ぎた結果です。
価格が高くても品質が良ければ売れるという状況があり、
また不要とも言えるような高品質を顧客・消費者が望み、
その循環が続き独自の方向性を持つ高価格、過度なハイスペック商品や
サービスが生まれるようになったのです。

 

そうして日本の企業が国内シェアを奪い合っている間に、
海外ではそれと異なるスタンダードが決まり拡大・発展し
日本は世界の市場構造から大きく取り残されることに。

 

しかし最近は「独自の進化による孤立」から「先を目指せる進化」という
捉え方がだんだんと増えてきたように感じます。

 

昨年末くらいから言われ始めた、「超ガラパゴス化」。
日本がとるべき戦略は「超ガラパゴス化」であると。

 

様々な問題点が指摘される「ガラパゴス化」ですが、
それを「弱み」ではなく「強み」としていく戦略が、
日本企業の生き残る戦略かもしれないですね。

 

国内各社もiPad/iPhone対抗商品を続々と出してきていますが、
今後、「超」ガラパゴス化の進化をさらに遂げられるのか
非常に気になるところです。

 

と、ここまでは現在様々なプロダクトとそれらを取り巻くサービスが
関係しているのかなと思います。

 

一方、私たちの業界は今、様々な「標準化」の渦の中に身を置いています。

 

デザインに関する様々な標準規格、印刷に関する様々な標準規格、
それら以外にも色々とあります。

 

だからこそ、標準的なクオリティーはどこでも供給できるという状況に
なっています。
すると次に起こることは当然、「価格競争」です。
モノやサービスが同じならば安い方が良いのは誰でも同じです。

 

すると・・・

 

その次には、価格競争をやめるための付加価値競争、「ガラパゴス化」へ進んでいく。

 

ただ私たちが目指すべきは、
会社全体ではなく、プロジェクト単位での「ガラパゴス化」と「超ガラパゴス化」の

使い分けではないかなと。

2010年9月28日  研究テーマ:
ページの上部へ